ホームページやブログのURLを変更する際にSEOで注意するべき点をまとめました。
運営中のWEBサイトを大きくリニューアルするとき、完全にURLを変更する時などが該当します。
WEBサイトをリニューアルして、ユーザーの満足度を上げるのはSEOやブランディングにとても良いことです。
しかしSEOを考慮した正しい施策をしておかないと、そもそも閲覧されないサイトになってしまいます。
URL変更があったときに対処すること、対処していない場合に起こることを解説します。
目次
URL変更して何も対策しないときの影響
結論から言うと、URL変更してそのままだとGoogle上では新規ページ扱いでスタートします。
積み上げてきたSEO価値はほぼゼロからスタートになってしまいます。
例えば以下のようにカテゴリ名を変えた場合などです。
- 変更前: https://livelbase.com/blog/seo-taisaku
- 変更後: https://livelbase.com/column/seo-taisaku
SEO上での評価は旧URLのWEBページのものです。新しいURLについては再びゼロから評価を積み上げていかなければならなくなってしまうのです。
そのような非効率な状況に陥らないように、WEBサイトのURLを変更する際に行うべきSEO施策を理解しておく必要があります。
URL変更の際に注意すべき3つのポイント
WEBサイトのURLを変更するときには、リニューアル前のURLを新しいURLが引き継いでいることを検索エンジンに伝えなければなりません。
それができていないと、リニューアル後の新しいURLのWEBサイトはまったく新しいWEBサイトとして認識されてしまい、これまでに行ってきたSEO施策をすべて無駄にすることになります。
さらに、内容の酷似した悪質なコピーサイトと認識された場合にはペナルティを受ける可能性さえあります。
リスクを避けるとともに、それまで積み重ねたSEO的な評価を新しいURLで引き継ぐ方法を解説します。
URL変更したページへの301リダイレクト
URLを変更した際には、古いURLにアクセスがあった場合、それに対応する新しいURLに自動的に遷移するように設定します。
古い方のURLのWEBサイトはもう表示しないようにするわけです。それをリダイレクトと言います。
リダイレクトの方法として代表なのは、301リダイレクト、302リダイレクトの2つです。
301リダイレクトは、WEBサイトのページが別のURLに完全に移転したときに使用するリダイレクト方法です。
検索エンジンが古いURLの評価を新しいURLに引き継いでくれるので、SEO施策としては基本的にこちらの301リダイレクトを使います。
302リダイレクトは、一時的に別のURLへ遷移させる際に使用します。
検索エンジンは、メンテナンスなどで臨時のページが表示されていると理解するので、元のURLの評価などは基本的には保留されたままになります。
リダイレクト方法の詳細については後ほど説明しますので、まずはリダイレクトという考え方と、種類があることを把握しておいてください。
Google Search Consoleにて変更したURLを伝えているか
WEBサイトのドメイン自体を変更したら、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleといった解析ツールも新しいURLに設定し直す必要があります。
※ ドメイン変更時のみ。ドメインが変わっていない場合は不要です。
設定方法は以下の通りです。
手順1: プロパティの追加
- Google Search Consoleにログイン
- 「プロパティを追加」で新しいURLを追加する
手順2: DNSレコードでのドメイン所有権の確認
- DNSレコードを新しいURLのWEBサイトに設置
- ドメイン所有権を確認する
手順3: アドレス変更ツールで新しいURL(ドメイン)を登録
Google Search Consoleの設定から「アドレス変更」を選択し、画面の指示に従って新しいURLを登録します。
ただし今のところ(2019年8月現在)、アドレス変更ツールはGoogle Search Consoleの旧バージョンからしか使用することができません。
現在はGoogle Search Consoleの「設定」メニューからアドレス変更できます。
Googleが提供している手順も確認の上、実行してください。
https://support.google.com/webmasters/answer/83106?hl=ja
Googleのクローラーが巡回できる設定になっているか
WEBサイトをリニューアルするときには、段階的に新しいWEBサイトの公開テストを行ってから最終的に新しいURLに移行するという手順を踏むことがほとんどです。
テスト段階の一般公開したくないページについては、検索エンジンに認識されないように設定しておくことがあります。
検索エンジンのクローラーが巡回するかしないかを指定するために使われるのが、robots.txtと呼ばれるファイルです。
このファイルでクローラーの巡回を制限しているページは、検索結果に表示されることはありません。
WEBサイトが出来上がったあとはrobots.txtの設定の設定を元に戻しておきましょう。
戻すのを忘れていると、『Googleに認識されない』『いつまでたっても検索結果に現れない』といった問題が発生します。
内部リンクのURLを新URLに変更しているか
ほとんどの場合は古いWEBサイトのコンテンツをコピーしてそのまま使う部分があるでしょう。
コピーしたコンテンツに含まれる内部リンクには古い方のURLが記述されています。内部リンクのURLも新しいURLに書き換えるべきです。
古いURLから新しいURLへのリダイレクトが正しく設定されていれば、古い内部リンクであってもリダイレクトされて新しいURLのページにたどり着くことはできます。
しかし、リダイレクトすることで1回多く余計なページにアクセスしなければならなくなります。
近年のSEOではページ表示までの時間の短さも重視されますので、余計な移動時間を生むのは悪影響です。
内部リンクは確実に書き換えておきましょう。
301リダイレクト実装でサイトリニューアルも安心
WEBサイトのURLを変更する場合、古いURLから新しいURLにリダイレクトを設定すべきことは前述の通りです。
リダイレクトするには301リダイレクトと302リダイレクトが主な方法です。
301リダイレクトは恒久的な転送処理をする場合に利用します。つまり、旧URLを恒久的に利用しない場合ですね。
302リダイレクトは一時的な転送をするときに利用します。
301リダイレクトを行うと、古いURLの評価が新しいURLに引き継がれます。
SEOの観点では、基本的にはすべて301リダイレクトを使用するのが妥当と言えます。
301リダイレクトは、『.htaccess』という制御ファイルで設定します。
あるURLにアクセスがあったときに別のURLにリダイレクトを行ったり、サーバー内のファイルへのアクセスを制限したりします。
特定のIPアドレスからのアクセスも制限できます。
.htaccessの設定例
ページ単位の設定
RewriteEngine on RewriteRule ^old-page.html$ http://www.sample.com/new-page.html [R=301,L]
ディレクトリ単位の設定例
RewriteEngine on RewriteRule ^old-dir(.*)$ /new-dir$1 [R=301,L]
WEBサイトのURLを変更する場合には、ディレクトリを丸ごとリダイレクトするのではなく、各ページごとに対応するURLのリダイレクト設定をするほうが無難です。
手間のかかる作業になります。ただ、ドメインだけでなくファイル名が変更されている場合もあります。
旧URLの複数のページが、新URLの同じページにリダイレクトされてしまうといったトラブルも回避することができます。
ただし、数千ページに及ぶようなサイトの場合は別です。方針を決めて、綿密なテストが必要になるでしょう。
302リダイレクトも活用しよう
302リダイレクトは、一時的に別のページに転送する際に使われるリダイレクト方法です。
リダイレクト元のSEO評価などを引き継がず、1〜2週間程度でリダイレクト設定を解除して元に戻すという使い方が想定されています。
一時的に非公開にするページ → トップページ
など限られた場合にしか使われません。
302リダイレクトも、301リダイレクトと同様.htaccessファイルを使って行います。
上記の301リダイレクト設定の記述の、R=301という箇所をR=302に変えるだけです。
リダイレクト設定時には役割と意図を明確にして、301リダイレクトと302リダイレクトを使い分けましょう。
URLを削除した時の対応【301でなく404を返す】
WEBサイトをリニューアルしてURL変更する際に、そもそも不要となるページも出てくるでしょう。
その場合には『リダイレクト先となるページが無い』という状態になります。
すると、デフォルトの設定のままでは404エラーのメッセージが表示されるだけで、ユーザーは次にどこに進めば良いのかわからなくなります。
迷子になってWEBサイトから離脱してしまう可能性が高くなります。
そこで、新しいURL側でページが存在しない場合には、オリジナルの404ページが表示されるように設定しておくべきです。
404ページへの転送も、301リダイレクトなどを設定したのと同じ.htaccessファイルで行えます。
ErrorDocument 404 /404.html
上記のように記述すると、ブラウザが表示する404エラーメッセージではなく、設定したページに遷移します。
404ページで明記すること
ご自身が作成したオリジナル404ページでは以下の内容を明記しておきましょう。
- URL(ページ)が存在しないこと
- 問い合わせページへのリンク
- トップページへのリンク
案内することで、ユーザーがWEBサイトからの離脱するのを防げるでしょう。
まとめ: 実施することは4つ。301リダイレクトは必須
リニューアル、URL変更時の対処方法を解説しました。
対処方法は以下の4点に集約されます。
- 旧URLから新URLへの301リダイレクト処理をする
- 必要があればGoogle Search consoleでアドレス変更する
- 存在しないページは404を返す
- 404用のページを用意する
リニューアルやURL変更した際は上記を必ず実施するようにしましょう。