SEOに効果的なURLについてまとめました。
「このURLの付け方ってSEO的にどうなの?」
と思ってページにたどり着いた方はぜひ参考にしてください。
目次
結論から: SEO対策になるURLの付け方
一覧になっていると見やすいかと思いますので、最初に、SEO対策向けのURLの付け方を箇条書きで紹介します。
サクッと概要を掴みたいときにお役立てください。
SEO対策になるURL
- https通信を利用する
- URLは正規化する
- URLはサイトやページに関連する英単語で構成する
- 単語間を区切るときはハイフンを利用する
- URLはできるだけ簡潔にする
- シンプルで分かりやすいディレクトリ構造にする
避けるべきURLの付け方
避けた方がよいURLの付け方も一覧にしました。
避けた方が良いURL
- プロトコルがhttp
- URLの中でキーワードを乱発する
- 過度に長いURLにする
- 深いディレクトリ構成にする
https通信(常時SSL化)を利用したURLにする
2014年8月7日のウェブマスター向け公式ブログで、Googleはhttps通信かどうかをランキングシグナルに入れると発表しました。
HTTPS をランキング シグナルに使用します | Webマスター向け公式ブログ
SEOにどの程度の影響があるのか気になるところですね。
親切なことに、該当のブログの中でランキングに与える影響を明記してくれています。
このランキングの変更は、グローバルでクエリの 1% 未満にしか影響しませんが、これから長い期間をかけて強化していきます。全体的に見ると、このシグナルは良質なコンテンツであるといった、その他のシグナルほどウェイトは大きくありません。
これを読む限り「1%未満」と本当に微々たる影響です。ただ、微々たるものでも確実なSEO対策であるなら実施しておいた方が良いでしょう。
SEO対策としては微々たる影響ですが、ブラウザでの表示のされ方が個人的にはマズいと思っています。
特にスマホのSafariブラウザで開いたときです。以下のように表示されます。
参考: 環境省
「安全ではありません」はマズいですね。企業イメージを損なう可能性もありますし、ECサイトだと購入を躊躇してしまいそうです。
ユーザー心理も考慮するとhttps通信(常時SSL化)は実施しておいた方が良いでしょう。
※ちなみに省庁などの政府系サイトでもhttps化が未対応なサイトがいくつかあります。。
SEO対策に必須!URLの正規化をしよう
URLの正規化はSEO対策で必須事項の1つです。
「正規化」と言うとちょっと分かりづらいかもしれません。
正規化の本来の意味は「データを整理、変形して利用しやすくすること」です。ただ、URLの正規化に関して言えば「重複を避ける」「URLを一意にする」と言った方が良いかもしれません。
例えば、Googleは以下のURLを区別します。
www.livelbase.com
livelbase.com
また、https通信を利用している場合、以下の2つのURLをGoogleがインデックスしてしまう場合があります。
http://livelbase.com
https://livelbase.com
「URLは4つ存在するけど、中身のコンテンツは同じ」という状態です。Googleからの評価が4つに分散されるかもしれませんし、低評価を食らう恐れがあります。
Googleが「1つのURLのみ参照する」状態を作ってあげる必要がありますね。
これより下で、このような場合の対処方法(URL正規化の方法)について解説します。
301リダイレクトする
正規化の方法の1つに301リダイレクトする方法があります。
ただ、すでに301リダイレクト処理がなされているかもしれません。
自社・ご自身の確認してみましょう。以下のようにWebサイトのURLをブラウザのアドレスバーに直接入力してみてください。
www.ご自身のWebサイトドメイン
ご自身のWebサイトドメイン
上のように2回入力してみて(wwwあり、wwwなし)どちらか一方しか表示されない場合はすでに301リダイレクト処理がなされています。
301リダイレクトの方法
先ほど上で書いたような、中身は同じだけどURLが複数あり、いずれにもアクセスできてしまう場合に利用します。
こんな場合は301リダイレクトして、正規にしたいURLに飛ばしてあげる必要があります。
例えば、http://www.example.comにアクセスがあったらhttp://example.comに転送してあげるイメージですね。
< 設定方法 >
Webサイトを管理しているサーバー内の.htaccessファイルにコードを記述します。
以下は必ずhttps://example.com(wwwなし、https通信)にリダイレクトしたい場合の例の例です。4行目から貼り付けてご利用ください。
※コード中のexample.comをご自身のWebサイトドメインに書き換えてください。
# 必ずhttps://example.com(wwwなし、https通信)にリダイレクトしたい場合の例 # httpからの通信を、httpsにリダイレクト(www有り無し) RewriteCond %{HTTPS} off RewriteRule ^(.*$) https://example.com/$1 [R=301,L] # httpsからの通信でwww有りの場合、www無しにリダイレクト RewriteCond %{HTTPS} on RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www.example.com$ RewriteRule ^(.*)$ https://example.com/$1 [R=301,L]
301リダイレクトすることで、Googleに正規のURLとページを伝えてあげることができます。
canonical(カノニカル)
canonicalもSEO的に重要な処理の1つです。
重複コンテンツだけど必要なページができたとします。例えば、PC用ページとスマホ用ページを作る場合ですね。
PCでもスマホでも同じ内容を見せたいはずですので、中身は一緒でページは別という状態が出来てしまいます。この状態だとGoogleからの評価が分散されるかもしれませんし、低評価になるかもしれません。
例
http://example.com/pc/sample.html
http://example.com/phone/sample.html
ユーザーにとって必要なページだけど、Googleには1つで解釈して欲しいときにcanonicalを利用します。
< 設定方法 >
正規にしない方のページのheadタグ内に以下のコードを記述します。
<!-- サンプル -- > <link rel="canonical" href="PC用ページのURL"> <!-- 上の例の場合 -- > <link rel="canonical" href="http://example.com/pc/sample.html">
この方法で評価の分散、重複コンテンツの発生を防ぐことができます。
URLを変更するときのSEO上の注意点
URLを変更するときは、上記で説明した301リダイレクトを必ず利用しましょう。
URLを変更するとGoogleからの評価がゼロからスタートになります ※Googleはドメイン自体も評価しているので、厳密にはゼロではないですが。。ややこしくなるので、ここではゼロと言っておきます。
「上位表示されていたページがまた圏外からスタート」なんてことにもなりかねません。
旧URLを新URLに301リダイレクトするようにしておきましょう。
URLにキーワードがあるとSEOで有利か?
結論から言うと、検索順位に直接影響する要素ではなさそうです。
ただ、URL中に簡潔でページコンテンツに関連する単語(つまりキーワード)を入れることでユーザーフレンドリーになることは間違いありません。
共有されやすく、クリックされやすくなる可能性がちょっとでも高くなるという意味で間接的なSEO効果は望めるかと思われます。
例えば、下に書いた2つのURLの例では、上のURLの方がユーザーにとって親切なURLだと言えます。
https://blog.livelbase.com/seo-url
https://blog.livelbase.com/id2
Googleは2017年12月13日に新しい検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドを公開しました。その中でGoogleもURLにコンテンツに関連する単語を入れることを推奨しています。
おすすめの方法
URL で単語を使用するサイトのコンテンツや構造に関連する単語を含む URL は、サイトを閲覧するユーザーにとってより親切になります。
ちなみに、古い方の検索エンジン最適化スターターガイドもまだ閲覧することができます。
こちらではカテゴリやファイル名に単語を入れることはGoogleが「クロールしやすくなる」と明記していました。
新しい検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドでは、その説明が削除されユーザビリティの向上にのみ言及しています。
このことから推測するに、昔と比べて現在は検索エンジン向けな対策にはならないのではないかと思われます。
SEOを意識したURL構造を解説
URLの長さ
URLの長さ自体はSEOに影響しません。Googleの公式ガイドでも「複雑なURLであっても適切にクロールできる」ことを明言しています。
複雑な URL であっても、Google はあらゆるタイプの URL 構造を適切にクロールできますが、時間をとって URL をできるだけ簡潔にしておくことをおすすめします。
とはいえURLをあえて長くする必要もないでしょう。上記に書かれている通り、ちょっと考えてなるべく簡潔にまとめた方が良いです。
ちなみにGoogleのジョン・ミューラー氏はURLは2,000文字以内に収めるようにと回答したことがあります。IE(Internet Explore)の最大文字数が2,083文字なのでそのように助言したのかと推測されます。
ただ、2,000文字を超えることはまず無いですので、気にする必要はなさそうですね。
ディレクトリ構造
ディレクトリ構造とは、例えば以下のような階層構造のことを指します。
http://example.com/chintai/kanto/tokyo/minatoku/bukken1.html
先ほど引用したGoogleのガイドラインに従うと、複雑なディレクトリ階層のURLであってもGoogleは適切にクロールしてくれます。
なのでGoogle向けの対策にはならなそうです。
ただ、ガイドラインではディレクトリ構造に関して以下のように明言しています。
シンプルなディレクトリ構造を作成する
コンテンツが適切に整理され、訪問者がサイト上のどこにいるのか判断しやすいディレクトリ構造を使用します。ディレクトリ構造を利用して、その URL で見つかるコンテンツの種類を表すようにします。
避けるべき方法:
・「.../dir1/dir2/dir3/dir4/dir5/dir6/page.html」のようにサブカテゴリを深くネストする。
・含まれているコンテンツと関連のないディレクトリ名を使用する。
上で述べらている要点は3つです。
- 訪問ユーザーが理解しやすいディレクトリ構造にする
- コンテンツの種類を表すようにする
- 深い入れ子構造にしない
公式ガイドで推奨していることですので、ぜひ意識して実施しましょう。
単語間にはハイフンを入れる
GoogleはURLに簡潔でユーザーが何のコンテンツか理解しやすい単語を入れることを推奨しています。
その推奨に従うと、単語が2つ以上で構成される場合は、単語と単語を記号で区切るとよりユーザーフレンドリーです。
区切る記号は「_(アンダースコア)」か「-(ハイフン)」が利用されることが一般的です。Googleはハイフンを推奨しているようです。
URL では区切り記号を使うと効果的です。http://www.example.com/green-dress.html という URL の方が、http://www.example.com/greendress.html という URL よりずっとわかりやすくなります。URL にはアンダースコア(_)ではなくハイフン(-)を使用することをおすすめします。
参考: シンプルな URL 構造を維持する | Google Search Console
日本語URLはSEOで有利か?
URLは日本語で登録することが可能です。
ファイル名、ディレクトリ名(WordPressなら投稿のパーマリンク、カテゴリー)、ドメイン名のいずれも日本語での登録が可能です。
上で説明した「キーワードを入れると有利か?」に関連してくるのですが、昔は日本語でURLにキーワードを入れると効果がある時期がありました。
例えば、以下のようなURLですね。
・http://ホームページ制作おすすめ会社.com
・http://example.com/ホームページ制作おすすめ会社/sample.html
・http://example.com/category/ホームページ制作おすすめ会社.html
ただ、現在はSEO的にあまり有効では無いようです。「ユーザーが何のサイトか理解しやすい」という効果はありますが。
『URLの単語』と『キーワード』が一致していたとき、昔は検索結果で単語が強調して(太字で)表示されていました。ただ、現在は強調表示されていません。
このことから推測するに、現在はURLに日本語キーワードを入れてもあまり効果がないのではと考えています。
より詳細を知りたい人は日本語URLとSEOの関係|現在は効果薄めですを参照ください。
SEOとURLパラメータの関係
URLには動的URLと静的URLがあります。
結論から言うと、動的URLにしても静的URLにしてもSEO上の優劣はありません。
ただ、扱い方によっては重複でマイナス評価を受ける可能性があります。ここでは、両方の扱い方の注意点を解説します。
動的URL
動的URLはURLの中に?や&があり、パラメーター名とパラメーター値がある規則に従って自動生成されるURLです。
動的URLの例(WordPressで検索実行して生成されたURL)
・https://blog.livelbase.com/?s=WordPress
重複コンテンツに注意する
動的URLを利用していると重複コンテンツが発生する可能性があります。また、それに気づかない恐れがあります。
「検索結果ページはGoogleがインデックスしないようにする」、「生成されたURLは異なるがコンテンツが同じ場合はcanonicalする」などサイトの構築段階で設計しておくのが望ましいでしょう。
パラメーターを複雑にしない
Googleは「複雑なURLであっても、Google はあらゆるタイプの URL 構造を適切にクロールできます」と明言しています。
なのでパラメーター名・値をたくさん利用したURL、複雑なURLでも適切にクロールしてくれるはずです。
ただ、ユーザーにとって親切なURLとは言えません。
例えば、以下のようなURLだと何となくクリックするのを躊躇してしまうはずです。
https: //www.amazon.co.jp/%E7%8F%BE%E5%A0%B4%E3%81%AE%E3%83%97%E3%83%AD%E3%81%8B%E3%82%89%E5%AD%A6%E3%81%B6-SEO%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%AB-%E7%89%B9%E5%85%B8PDF%E4%BB%98%E3%81%8D-%E8%A5%BF%E5%B1%B1-%E6%82%A0%E5%A4%AA%E6%9C%97/dp/4839966001/ref=pd_lpo_sbs_14_img_2/358-1535783-5821433?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=1DT8D14HRYEPMHGDKN72
なので、動的URLであってもユーザーにとって分かりやすいURL設計にしましょう。
静的URL
静的URLは?や&が無い、動的に作られないURLです。
例えば、このページは静的URLにあたります。
・https://seo.lightup-works.com/seo-url
静的URLの注意点は特にありません。
内部リンクは完全URLか相対URLか
自社・自分のWebサイトの別ページにリンクを貼るとき、以下のようなタグを利用するかと思います。
弊社のホームページを例に見てみましょう。
「会社概要ページはこちら」という文章にhttp://www.livelbase.com/company/というリンク貼る → 会社概要ページはこちら
この中のhttp://www.livelbase.com/company/の部分は、現在のページが/company/と同一階層の場合は以下のように省略して書くことができます。
「会社概要ページはこちら」という文章に/company/というリンク貼る → 会社概要ページはこちら
どちらも同じページに飛びますが、リンクするURLが違います。
最初に書いた方を完全URL、後者を相対URLと呼んでいます。
完全URL、相対URLのどちらがSEOに効果があるかという話ですが、現在はSEO的な優劣は無いようです。
では、どっちでも良いのか?と言われるとそうでもありません。Googleは完全URLでのリンクを推奨しています。
可能な場合は、相対リンクではなく絶対リンクを使用します(たとえば、サイト内の別のページにリンクするときに、mypage.html だけではなく https://www.example.com/mypage.html とします)。
相対URLはページ間の位置関係を理解していないとなりません。記述を間違えてリンク切れを起こしてしまうミスも起こりますので、なるべく完全URLを利用するようにしましょう。
カテゴリーのURL(WordPressユーザー向け)
WordPressユーザー向けの内容です。
WordPressではページが属するカテゴリーを作成・管理することができます。
カテゴリー作成画面にある「スラッグ」もしっかり登録しておきましょう。
スラッグに登録した文字は「名前」に優先してURLに利用されます。
例えば、名前に「東京」と入れてスラッグに「tokyo」と入れた場合、URLは以下のようになります。
・http://example.com/tokyo/
スラッグが空欄の場合は以下のようになります。
・http://example.com/東京/
日本語のままでも構わないのですが、日本語はURLにすると以下のようなコードに変換されてしまいます。
・http://example.com/%e6%9d%b1%e4%ba%ac/
東京の部分がコードに変換されます。
ユーザーから見た視認性やクリックのしやすさを考えると、
・http://example.com/tokyo/
の方が望ましいかと考えます。
なので、カテゴリーの名前にはキーワードやコンテンツに関係する単語、スラッグには英単語を入れると良いかと考えています。
Google対策的なURLよりユーザーフレンドリーなURL
SEOとURLの関係について網羅的に解説しました。
本記事を書くにあたり、最新の検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドを読み直すきっかけにもなり、記事を書く前より理解を深めることが出来たかと思っています。
URL対策に関して言えば、「もうこっちの(Googleの)対策はいいから、ユーザーの利便性に専念してくれ」と言っているようにも見えました。
もちろん、httpsにした方が良いですし、URLは正規化した方が良いです。
「基本的なSEO対策は抑えて、あとはユーザーの利便性に専念する」といった方針・方向性が良いかと考えています。